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ポルシェ カレラカップ ジャパン 2008 第8戦/第9戦 (岡山) レースレポートポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:黒坂 登志明)とポルシェ カレラ カップ ジャパン (PCCJ) 委員会は、ポルシェ カレラカップ ジャパン 2008年シリーズ 第8戦/第9戦を、2008年9月6日(土)、7日(日) 岡山国際サーキット(岡山県)にて開催いたしました。
■第8戦 - 公式予選
天候:曇 気温:27℃ 路面温度:30℃
9月に入ったものの、湿度が高くかなり蒸し暑い気候となった岡山国際サーキットで、ポルシェ カレラカップ ジャパン(以下PCCJ)2008シリーズ第8戦&第9戦が行われる。ここからいよいよ終盤戦に突入するPCCJだが、クラスAでは#28都筑晶裕(A)、#8清水康弘(A)、#27都筑善雄(A)のシリーズランキング上位3台が4ポイント差で争うなど、史上まれにみる激戦が展開されている。それはレースウィークに入った木曜~金曜日の練習走行からすでに始まっており、積極的に走り込みつつセットアップを進める姿が見受けられた。
9月6日土曜日の9時15分、定刻通りスタートした予選では、すでに気温は27℃、路面温度は30℃と、非常に蒸し暑いコンディション。そんななか#33小早川済瑠(B)を筆頭に、#77DRAGON(A)、#18大久保仁(A)、#47福原稔(B)の順で、次々とカップカーがコースインしていく。しかしクラスAの上位3台と、クラスBシリーズランキングトップの#37濱口弘(B)はピットにとどまったまま。どうやらセッション後半からタイムアタックに入る作戦のようだ。
そのような状況で始まった予選だが、早々にトップタイムをマークしたのが#77DRAGON(A)だ。#77DRAGON(A)はいきなり1‘37.088のタイムを叩き出し、その後1’36.680まで縮めることに成功。このタイムはセッション半ばまでタイミングモニターの一番上に残り続けることとなる。
そして開始15分を過ぎたところで、ようやく#28都筑晶(A)、#8清水康(A)、#27都筑善(A)と、#37濱口(B)がコースイン。そのなかでまず#37濱口(B)が1’36.600のベストタイムをマーク。
その後、残り5分ほどとなったところで#8清水康(A)が1’36.544でそれを塗り替える。このまま#8清水康(A)がその座を守るかと思われたが、チェッカーフラッグが振られる最終ラップ、#28都筑晶(A)がトップタイムとなる1’36.375を叩き出し見事逆転。ポールポジションを獲得した。#28都筑晶(A)は「かなりギリギリでした。本当はコースインしてすぐベストを出す予定だったんですけど、渋滞につかまってしまって。決勝に向けての作戦ですか?もう全開でいくしかないです」とレースに向けて気合十分のようであった。
またクラスBで#37濱口(B)に続く2位のポジションを獲得したのは、今回初参戦の#19木村正治。ランキング2位の#33小早川(B)は、前日のトランスミッション交換後、セットアップに苦しんでいるようで3位にとどまることとなった。昨日クラッシュによりマシンのダメージを心配していた#37濱口(B)だが「クラスAの2台とそれほどタイム差がないのが嬉しいですね。決勝では何とか前にくっついていければいいと思います」と、調子はいいようだ。
今回は第1戦&2戦同様、スーパー耐久のサポートレースとして開催されているPCCJ。ダブルヘッダーの1回目、第8戦の決勝レースは、この後15時30分過ぎからスタートする。終盤戦のまさに正念場となる重要なレースで、勝利の女神は果たしてどのパイロットに微笑むのか?
■第8戦 - 決勝
■天候:曇 気温:29℃ 路面温度:41℃
気温29℃、路面温度は41℃まで上昇し、およそ6時間前に行われた予選より暑いコンディションのなか、ポルシェ カレラカップ ジャパン(以下PCCJ)第8戦の決勝レースが始まった。ダブルヘッダー第1ラウンドとなるレースのダミーグリッド上は、立っているだけでも汗がジワジワと吹き出してくるほどの陽気。参戦しているカレラカップパイロットたちは、ライバルとともに、この暑さとの戦いも強いられることになりそうだ。
フォーメーションラップの開始時刻となった15時30分すぎ、ポールポジションの#28都筑晶裕(A)を先頭に、#8清水康弘(A)、クラスBトップの#37濱口弘(B)の順で、次々とダミーグリッドを離れていく。全23台のマシンは、全長3.703kmの岡山国際サーキットのコースを一周した後、再びグリッドに戻ってくる。そしてレッドシグナルが点灯後、数秒でブラックアウト、いよいよPCCJ第8戦のスタートが切られた。
激戦の始まりを告げる注目のスタートシーンでは、2番グリッドの#8清水康(A)が絶妙な走り出しを見せ、1コーナーの手前でポールポジションの#28都筑晶(A)をパス。トップに躍り出る。また5番グリッドの#27都筑善雄(A)もロケットスタートを決め、#77DRAGON(A)、#37濱口(B)の2台をごぼう抜き、一気に3番手まで浮上した。
しかし2番手スタートだった#8清水康(A)がリーダーとなったところで、俄然レースが面白くなるかと思われた矢先、事もあろうに#8清水康(A)はリボルバーコーナーであわやスピンかというほど大きく姿勢を乱してしまう。#8清水康(A)無事コースに復帰するが、せっかく奪ったトップのポジションを#28都筑晶(A)にみすみす明け渡してしまった。
これで労せずトップに返り咲いた#28都筑晶(A)は、ファステストラップを連発しながら2位#8清水康(A)との差を徐々に広げ始める。また2番手に落ちた#8清水康(A)の背後には#27都筑善(A)がピタリとつき、その座を奪うが如く激しくプッシュし始めた。この2台の差は4周目にコンマ3秒まで縮まったが、「今日は後半勝負できるようにセッティングしました」という#8清水康(A)が、その言葉通りレース中盤を過ぎたあたりから#27都筑善(A)を引き離し始めた。
また後方では、#77DRAGON(A)を先頭に、#18大久保仁(A)、#19木村正治(B)、#2桜井澄夫(B)がそれぞれ1秒以内の差でひしめき合い、激しい6番手争いを行うなど、クラスAとBが入り乱れて見応えあるバトルが展開。こういったシーンがコース各所で見られるのが、ワンメイクレースの魅力ともいえる部分だ。
結局、トップを再び奪取した#28都筑晶(A)は、8周目にこの日のファステストラップとなる1’36.854をマークするなど#8清水康(A)との差を最大2.5秒まで広げ、その後は築いたマージンをコントロールする余裕を見せつつ、トップチェッカーを受け完勝。これでシリーズポイントでも2位#8清水康(A)に5ポイントの差をつけ、そのリードを広げた。3位には「岡山はいまいちツキがないので、途中からちょっと守りに入ってしまいましたが、とりあえずこの結果には満足です」という#27都筑善(A)が入った。
クラスBでは、シリーズランキング2位の#33小早川済瑠(B)がオープニングラップで、接触によりピットインを余儀なくされるなど失速。トップを行く#37濱口(B)はその座を一度も脅かされることなく、クラスB独走で勝利を挙げた。2位には今回初参戦ながら見事な走りを見せた#19木村(B)、そして3位には前回の菅生から3戦連続で#2桜井(B)という結果となった。
こうして終盤戦の第1ラウンドが終了したPCCJ第8戦。クラスAではシリーズランキング通りのリザルトとなったため、上位3人のポイント差は各々微妙に広がることとなった。この構図が明日の第9戦でも繰り返されるのか?それとも大きなどんでん返しが待っているのか?まだまだこの三つ巴の激戦から目が離せない状況は続く。
■第9戦 - 決勝
天候:曇 気温:29℃ 路面温度:41℃
前日の第8戦からさらに暑さが厳しく、肌を刺すような日差しも時折差し込むなか始まったポルシェ カレラカップ ジャパン(以下PCCJ)第9戦の決勝レース。ダブルヘッダー第2ラウンドのグリッドは、今回も前戦のベストラップ順に決定されるが、そのグリッド順はほぼ第8戦の順位と変更なく、優勝した#28都筑晶裕(A)がポールポジション、2番手には#8清水康弘(A)、3番手に#27都筑善雄(A)、そして4番グリッドにはクラスBウィナーの#37濱口弘(B)の順で並ぶ。
気温は30℃の大台に、また路面温度は昨日と同じ41℃だが、おそらくレース中にはもっと上昇するであろうというコンディションのなか、PCCJ第9戦決勝レースの火蓋がきって落とされた。ここでは前戦で好スタートを決めた#8清水康(A)が若干出遅れ、1コーナーの進入ではアウト側から#27都筑善(A)に並びかけられてしまう。両者はサイド・バイ・サイドのまま2コーナーへと突入。結果的にイン側となった#27都筑善(A)が2位に浮上した。
これで3番手に落ちてしまった#8清水康(A)だが、さらに続くアトウッドカーブの進入で背後に迫られていた#37濱口(B)にインを突かれ、この際#37濱口(B)の左フロントと#8清水康(A)の右リアが接触。#8清水康(A)はやや挙動を乱し、その隙に#37濱口(B)の先行を許してしまった。一方スタートで2番手に上り、勢いに乗る#27都筑善(A)は、バックストレートン後のヘアピンで、前を行く#28都筑晶(A)のインに飛び込み、遂にトップまで上り詰めることに成功した。
その後上位争いはほぼ等間隔で#27都筑善(A)、#28都筑晶(A)、#37濱口(B)、#8清水康(A)が並びレースは進行していくが、その後方ではやや離れたところで#18大久保仁(A)、#19木村正治(B)、#33小早川済瑠(B)の3台が5位争いを展開。また中団グループでも今回初参戦の#21一ツ山亮次(B)を先頭に、#5高見沢一吉(B)、#13吉田基良(A)、#55水谷明(B)、#7海宝善昭(B)らが激しいバトルを繰り広げ、レースを盛り上げた。
レースも中盤に入ると、トップ争いは#27都筑善(A)、#28都筑晶(A)の2台がやや抜け出した形で接近戦を展開。その後ろ約2秒前後の差で#37濱口(B)、#8清水康(A)が3位争いを繰り広げる。この2台ずつテール・トゥ・ノーズによるバトルは、どちらかがミスをすれば順位がすぐさま変動しそうな、一瞬たりとも目が離せない状況だ。
トップ#27都筑善(A)は「ところどころ白旗が振られていたので、やや守りにはいってしまった」と言えば、「油温が上昇していたのでクーリングしながら走らなければならなかった」と#28都筑晶(A)。一方、「接触で左のヘッドライトが外れて、ストレートが伸びなかった」という#37濱口(B)に対し、#8清水康(A)は「水温が上がりすぎてペースが上げられなかった」と、それぞれの思惑が微妙に交錯するなか、残り4周となったところでまず#8清水康(A)が動いた。ヘアピンの進入でブレーキングをギリギリまで遅らせ、#37濱口(B)のインへと飛び込む。しかしオーバースピードだったのか、ターンインでリアを滑らせてしまいたまらずスピン。そのままの順位でコースに復帰できたものの、その差は大きく離れてしまった。
続いて残り3周となった13周目、今度は2位の#28都筑晶(A)が、同じヘアピンの進入でトップ#27都筑善(A)のインを突く。前のコメント通り、やや守りの走行となっていた#27都筑善(A)は、無理せず#28都筑晶(A)に先を行かせる。これでようやくトップに舞い戻った#28都筑晶(A)は、そのままトップのポジションを守り切りフィニッシュ。第8戦に続く連勝を挙げた。またクラスBでは、総合でもポディウムを獲得した#37濱口(B)が優勝。前戦に続き#19木村正治(B)が、#33小早川済瑠(B)を振り切って見事2位に入った。
レースウィーク中残暑が厳しく、カレラカップパイロットたちには体力的にも辛い状況であったにもかかわらず、非常に見応えあるレースが展開されたPCCJ第9戦。残るはF1のサポートレースである最終戦のみとなるが、ここで嬉しいニュースが飛び込んできた。何とF1日本グランプリでも2レースのダブルヘッダー大会となることが決定されたのだ。
今回第9戦が終了した時点で、クラスAのトップに#28都筑晶(A)、9ポイント差で#8清水康(A)、そして1ポイント差で#27都筑善(A)というオーダーになったが、1戦増えることで、このチャンピオン争いの行方がますます楽しみになってきた。泣いても笑っても残り1大会となるPCCJ2008シリーズ。10万人を越える大観衆の前で有終の美を飾るのはどのパイロットか?素晴らしいレースを見せてくれることに期待したい。
2008/9/8