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ポルシェ、利益、売上高、販売台数で新記録を達成ポルシェ オートモービルホールディングSE(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 最高経営責任者:Dr.ヴェンデリン・ヴィーデキング)は、世界規模で景気が下降している状況にもかかわらず、2007/08事業年度(7月31日締め)において利益、売上高、販売および生産台数で史上最高を記録いたしました。同社の引き続き好調な業績は、ポルシェ グループ内の新たな雇用機会の創出につながりました。ただし、ポルシェも今秋以降自動車業界全体が直面している大幅な需要の低迷の影響を受けているため、2008/09事業年度(当年度)の売上は減少するとの見通しを立てています。

2007/08事業年度は、ポルシェの60年の歴史の中でも最高の年となり、税引き前グループ利益は46パーセント増の85億6,900万ユーロを記録しています。この大幅な利益の増加には、今年度もフォルクスワーゲン社の保有株による利益が大きく貢献しています。ポルシェの税引き前営業収益は十分な伸びを示しました。為替ヘッジおよび利息調整後のポルシェSEの収益は約10億ユーロとなっています。ポルシェ第4のモデルとなるパナメーラ、カイエンのハイブリッドドライブ、ニューモデル向け低燃費エンジンなどの開発費の増加が、当年度も収益に組み込まれています。

しかし、VW社株の取引価格の変化に対応してポルシェが実施した株式オプション現金取引によってこの開発費は十分に埋め合わされています。また、この取引によってより多くのVW社の普通株式を取得する上でのリスクヘッジを行っています。この取引による利益は68億3,400万ユーロ(前年度:35億9,300万ユーロ)となっています。年度末現在保有のVW社の株式は全体の22.3%でした。この株式保有によるポルシェの利益は10億700万ユーロで、このうち配当の1億6,040万ユーロが現金収入となっています。

増額した特別配当を提案

当会計報告期間のグループの税引き後収益は51パーセント増の63億9,200万ユーロとなっています。分割調整後の1株あたり収益は普通株式1株あたり35.94ユーロ(前年度:23.98ユーロ)、優先株式1株あたり35.95ユーロ(前年度:23.99ユーロ)となっています。これは、ポルシェの株主にも朗報となるでしょう。2009年1月30日にシュトゥットガルトのポルシェ アリーナで開催される年次株主総会では多額の特別利益を考慮し、普通株式1株あたり0.694ユーロ、優先株式1株あたり0.70ユーロの配当増、また普通株式および優先株式1株あたり2.00ユーロ(前年度:1.50ユーロ)の特別配当が提案される予定です。この結果、配当総額は約4億7,200万ユーロ(前年度:3億8,400万ユーロ)、約23パーセントの増加となっています。

カイエンが市場で大きな成功を収める

全体として、ポルシェ オートモービルホールディングSEの当会計報告期間の業績はきわめて好調でした。グループ売上高は1.3パーセント増の74億6,600万ユーロを記録し、100パーセント子会社のポルシェAGの販売台数は1.2パーセント増の98,652台となっています。この成長には、カイエンシリーズが最大の貢献をしています。このポルシェのスポーツユーティリティーモデルの販売は34パーセント増の45,478台に上り、新記録を樹立しました。2007/08年度下期のニュー911 カレラへのモデルチェンジにもかかわらず、その販売台数は前年度のきわめて高い数字をわずか16パーセント下回る31,423台でした。また、ケイマンを含むボクスターシリーズは21,747台を販売しましたが、これは前年度比16.8パーセント減となっています。

ポルシェ グループ従業員数がはじめて12,200名を超える

2007/08事業年度の総生産台数は3.3パーセント増の105,162台でした。ライプツィヒ工場は、生産能力上限の48,497台のカイエンを製造しました。この数字は史上最高のものとなっています。またこれは、前年比34.1パーセントの成長率となります。シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンにおける911の生産台数は12パーセント減の34,303台に留まっています。一方、ボクスターシリーズの総生産台数は、22,356台(16.3パーセント減)となっています。

このように好調な業績を反映して、ポルシェ グループの従業員数は5.5パーセント増の12,202名となりました。また、主に研究開発、営業、ライプツィヒ工場、そしてポルシェ コンサルティングおよび経営・ITコンサルティングを行うMieschke Hofmann und Partner (MHP)という2つの子会社が新たな雇用機会を生み出しました。

今後の見通し:ポルシェも世界的な後退傾向の影響を受ける

ポルシェ オートモービルホールディングSEは、2008/09事業年度での販売台数の大幅な減少を見込んでいます。自動車業界における需要の深刻な下落の兆候は、明らかに世界規模のもので、特にポルシェにとって最大の単独市場となっている米国における今後の向上を計上するのは事実上不可能です。

ポルシェもこの縮小傾向から逃れることはできないため、前年度の高いレベルの販売台数を今年度も達成できるという見通しを立てていません。これはすでに、当事業年度の2008年8月1日から11月中旬までの数字に表れており、2008/09事業年度の最初の4ヶ月間(2008年11月30日まで)の売上高は、前年度同期が23億6,000万ユーロであったのに対し、20億ユーロをわずかに上回るに留まっています。販売台数も同様の傾向を示しており、前年同期の30,700台に対し、当年度は25,200台と減少しています。年度最初の4ヶ月間の正確な販売台数は、2008年12月中旬に予定されている中間報告書で開示の予定です。

販売台数の減少に直面してはいるものの、ポルシェは車両本体価格の値下げを行わないという方針を堅持します。その代わりに、市場の実際の需要の低下に合わせた生産のスケールダウンで対応しています。ツッフェンハウゼン工場は2008年11月21日にはじめて操業を休止しましたが、2009年1月末までにさらに7日間の休止を予定しています。フレックスタイム制度を導入しているポルシェ従業員の就業時間については、昨年度に生産台数が伸びた分があるため、操業短縮の代わりにこの生産休止分で調整することが可能です。ポルシェは、4ドア4シーターのグランツーリスモ「パナメーラ」の投入が今年度の次の重要なステップになると期待しています。

2008/12/1