Porsche - 色とりどり

色とりどり

スポーツカーが纏う色には、然るべき意味がある。どの色ひとつとっても、車の性格を強調する固有の役目があるからだ。その一例として、半世紀にわたって独自のスタイルを貫いてきた 911 タルガのカラー・バリエーションをご紹介しよう。

グリーン

万事オーケー: 緑は機能していること、または許可されていることを示す色。問題がないことを示す色でもある。

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初代 911 モデル(1967 – 1973)
リンドグリーン (スペシャルカラー)
初代 911 タルガの発売は、1965 年 9 月。そのサブネームはロールオーバープロテクションシステム “タルガバー” に由来している。最初は取外し可能なビニール製リア・ウィンドーを装備していたが、1968 年により丈夫なガラス製リア・ウィンドーに切り替わった(写真)。

ホワイト

物理的に捉えると、白は全ての色の集合体だ。ネガティブなイメージを与えることのないパーフェクトなカラー。光、理想を表現し、縁起の良い色とされている。

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G - シリーズ(1974 – 1989)
グランプリホワイト
1975 年、タルガのセーフティバーが、それまでのシルバーからブラックに変更された。取り外し可能な着脱式ルーフは、G シリーズにも受け継がれた。

ブラック

多くのデザイナーが黒を使いたがるのには理由がある。黒は背景に上手く溶け込み、スポーツカーの 機能とフォルムが強調されるからだ。

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964(1990 – 1993)
ブラック
1989 年に登場した 964 モデルで、初めてタルガに4WDシステムが搭載された。

シルバー

シルバーはスポーツカーにとって理想のカラーだ。軽さ、自由、スピード、透明性を表現する一方で、クールで謙虚なイメージを与える。

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993(1996 – 1998)
アークティックシルバー (スペシャルカラー)
4 代目タルガとして、1995 年に 993 モデルをベースとしたタルガが登場。電動開閉式の大きなパノラマガラス製ルーフを装備する。

レッド

赤はいい意味でも注意を促す色であり、愛と情熱の色でもある。火を想起させる一方で血液の色でもあり、その意味では人生を体現するカラーと言える。

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9962002 – 2004)
ガーズレッド
2001 年、初めてエンジンが水冷化された 996 型にタルガモデルが登場。スライド式リア・ウィンドーを備える。

ブルー

青は遠方を表す色で、幻想世界のポジティブなイメージを象徴する。調和、信頼、信用を体現する色でもある。

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997(2006 – 2012)
コバルトブルー (スペシャルカラー)
2006 年以降に登場した 997 シリーズのタルガは、4WD システムを搭載。ガラス張りのルーフにはサンシェードが装備された。

イエロー

太陽と光を表現する黄色。黄色は楽観主義、人生の喜びを表す暖かい色だ。

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991(2014年以降)
レーシングイエロー
2014 年 1 月、タルガ 991 が登場。伝統のソフトトップと固定ロールオーバーを備え、ルーフの開閉はフル電動式となる。

Elmar Brümmer
写真 Rafael Krötz