プロジェクト発表

今回初めて、ポルシェ クラブ・オブ・アメリカは完璧にレストアされたクラシックモデル、1973年モデルのポルシェ 911 Tを1台抽選の賞品とします。

このプロジェクトはデイトナにおける今年のポルシェ“レンシュポルト リユニオン”スペクタクルで、PCA代表者、ポルシェ クラブ コーディネーション、およびポルシェ クラシックとの会話から生まれました。ポルシェ クラブ・オブ・アメリカは会員104,000人を擁する世界最大のポルシェ クラブで、伝統として年に2回、会員にポルシェ車を抽選で進呈しています。これまで賞品の車両は新車でしたが、今回は史上初めてクラシックポルシェが賞品となっています。車両は進呈される前に、かつてアメリカ市場向けに生産が行われた故郷のツッフェンハウゼンで、ポルシェの専門家によってオリジナルの状態にレストアされます。

PCA、ポルシェ クラブ サービス、そしてポルシェ クラシックの専門家は適切な車両を見つけるため、最大限の協力を惜しみませんでした。クラブのメンバーは、7月にセントチャールズで開催された今年のポルシェ パレードで、車両の現在の状態を初めて確認しました。911 Tは、排気量2.4リッターの空冷式水平対向6気筒エンジンを搭載。5,600rpmで140PSを発揮します。911のナローボディはFモデルとして知られ、コレクターの間では人気の高い1台です。車両はクラシックなカラーの組み合わせ、シルバーのエクステリアとブラックのインテリアで納車されました。このFモデルは、モデルの最終年の車両であるため、特に高い価値を誇ると考えられます。

しかし、この車両はまったく別の理由においてもポルシェ クラシックの関心を呼びました。その履歴はよく知られていませんが、ひと目で時代がはっきり見える足跡を残しています。何年もの間に、数多くのパーツが追加されていました。これらのパーツはさまざまですが、オリジナルのパーツではありません。クラシック ワークショップのマネージャー、ヨッヘン・バーデルは語ります。「私達は、この課題への挑戦に期待していました。皆さんに、私達の仕事ぶりを見ていただくことができれば満足です」

長年、ツッフェンハウゼンのメインファクトリーからわずか15kmの場所に立地する、フライブルク/ネッカーのポルシェ クラシック ワークショップは、クラシックポルシェを最高の状態に保ちたいと考える全てのオーナーが集う場所になっていました。ポルシェ 356から、最後の空冷911である993モデルまでの全てのモデルが当てはまります。この最新のワークショップでは、純正のポルシェ パーツしか使用されません。すでに入手できないパーツは忠実に再現されます。つまり、ポルシェ クラシックは全世界への部品供給を保証するだけでなく、オリジナルパーツやツールの図面の膨大なコレクションが使用可能なのです。ワークショップのチームはプロフェッショナルとして、年間250台の新旧のポルシェにオイル交換から複雑なレストアのための徹底的なメンテナンスまで、さまざまなサービスを提供しています。そしてオーナーの特別な要望を加えることで、レストアが完了するのです。

レストアとともに、911 Tの新しいオーナーはその車両に行われたプロセスの全資料、専用プラーク、約1,000枚の写真を収録したCDを受け取ります。これらは高級レザーケースに収められています。ただし、その前に多くの作業があります。このクラシックな911は最初に塗装を剥がされ、次に完全に分解されます。その後、完成されたボディシェルは、より長く使用するために最新の陰極浸漬塗装によって保護されます。作業にはエンジンとトランスミッション、そしてインテリア装備のフルレストアも含まれます。このページでの定期的なレポートによって、ポルシェ ファンの皆様にはレストアの工程を経験していただきます。思いがけない問題を、ワークショップの専門家がどのように解決するかを知ることができます。

ポルシェ クラシック ワークショップのメンバーは準備が整っています。911 Tはアメリカを出発しており、2～3日中にフライブルク/ネッカーに到着します。