勝者への引き渡し。ポルシェ パレード 2011
特等賞はバド・キビーの手に:911 T、カリフォルニアに帰還。
ジョージア州サバンナのサバンナ国際貿易コンベンションセンターで開催された抽選の宴席で、観衆は大興奮しました。ゲストは手を叩き、歓声を上げました。「車両の当選者は、バド」 バド・キビーは妻のジョアンヌとともにステージに立ちましたが、ポルシェ クラブ・オブ・アメリカ(PCA)会長のマニー・アルバンと、ポルシェ クラシック・ダイレクターのアレクサンダー・ファビックによるこの発表を信じられませんでした。特等賞のバド・キビーは、1973年式のポルシェ 911 Tクーペを獲得したのです。その1台はPCAメンバーの間で抽選に掛けられるために、1年間を費やしてシュトゥットガルトのポルシェ クラシックの専門家によって完璧に復元されました。キビーは稀少なコレクターズアイテムを引き当てるため、8枚の抽選券を購入。85歳の当選者は、1963年式のポルシェ 356を20年間所有していましたが、ポルシェ 911でのドライビングは経験がありませんでした。
バド・キビーの晩年に迎えたこの幸運は、今年のポルシェ パレードのハイライトのひとつとなりました。このイベントは、10万人のメンバーを擁する世界最大のポルシェ クラブ、PCAの伝統であり、アメリカで毎年開かれるポルシェ イベントの中でも最も重要なものです。約1,600人のメンバーが8月初旬のサバンナへの巡礼を行い、約750台のポルシェが誇らしげに展示されました。ポルシェ コミュニティのための広範なプログラムには大パレードも含まれ、170台のポルシェが列になってサバンナの街を走り抜けました。プログラムのもうひとつのハイライトは、コンクール・デ・エレガンスでした。119台の磨き上げられたポルシェ車が審査のために紹介され、ほかにも275人のエンスージアストが愛車を披露しました。プログラムには、オートクロスコンペティションやラリーなどの走行イベントも含まれます。
しかしながら、今年はポルシェ スペクタクルの中でも、ポルシェ クラシックが際立っていました。ポルシェ カーズ・ノース・アメリカの副社長兼CEOのミヒャエル・バルチェと、ポルシェ クラシック ワークショップのマネージャーであるマニー・アルバン、アレクサンダー・ファビック、ヨッヘン・バーデルがコンクール・デ・エレガンスの間に、完璧に復元された911 Tを熱心な観客に初めて公開する発表セレモニーを開催しました。
1年以上前に、PCA、ポルシェ クラブ コーディネーション、ポルシェ クラシックは共同で“情熱のリバイバル”プロジェクトを発表し、適した車両をロサンゼルスで発見し、哀れな状態のままシュトゥットガルトへ輸送、再びリビルドしました。PCAのメンバーへは完璧な復元工程が行われている間、定期的に最新情報をインターネット上で記事や写真、動画を公開し、またポルシェ クラブのニュースレターで紹介しました。
ポルシェ ファンは、ついに実物を目にすることができました。しかしそれは、魅力的な特等賞品を、ポルシェ クラシックがジョージアで最高の状態で発表したことに止まりません。多数のジャーナリストに、プロジェクト全体と復元の詳細な情報が車両公表の一環として開かれた記者会見で伝えられました。さらにポルシェ クラシックは、コンベンションセンターのホスピタリティエリアで、ポルシェ ドライバーズセレクション、ポルシェ エクスクルーシブ、ポルシェ テクイップメント、ポルシェ ミュージアムと並んで200平米を占める独自の展示を実施。多くの来場者が、ツッフェンハウゼンやアメリカのクラシック専門家から直接アドバイスを受ける機会を得られたほか、展示された多彩なオリジナルのクラシックパーツに感動し、特別提供品のスペアパーツの発見を愉しみました。また新しい“ファミリーツリー”を利用して、ポルシェ クラシックがサポートする全車種の情報を得る特典を受けました。さらにクラブのメンバーは、ポルシェ クラシックに関する知識を試すクイズに参加したり、911 Tがリストアされる際の全ての写真を見たり、あるいは車両そのものやプレゼン資料を使用して復元の技術的側面が説明されたプレゼンテーションに参加することができました。
「私達のサバンナ訪問は、大成功でした」ポルシェ・クラシック・ダイレクター、アレクサンダー・ファビックは喜びのコメントをしました。「911 Tプロジェクトへの反応には本当に驚きました。来場者は、私達が提供する多くのサービスに非常に興味を示していました」
しかしながら、やはり今年のポルシェ パレードの最大の勝者は、バド・キビーです。この陽気なポルシェ ファンと、彼にとって初めてのこのとてつもない価値のある911には、極めて重要な共通点があります。それは、どちらもカリフォルニアから来たことです。ほぼ忘れられていたポルシェ 911 Tは息吹を取り戻し、またホームに戻ってきました。誇り高き新しいオーナーのもとに。